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Rather than it is protected ... ..... for hyotei festa in 2002 向日岳人はバカで可愛い(失礼)。 フツー、テニスって跳ぶスポーツじゃないのに跳んじゃうし、しかもそれで着地に失敗して捻挫したってんじゃ世話がない。 そんな時いつも岳人が頼るのはあたし。 怪我した時も、テストで悪い点取った時も、風邪引いて寝込んだ時も、虐められても(これは小2くらいまでの話だが)岳人の側にはいつだってあたしがいた。 岳人があたしを頼ってこなくなったのはいつからだったろう――― 「侑士、英語の教科書貸してー」 「侑士、今日お前んちでゲームしよーぜ」 最近の岳人の口から出てくる名前は"侑士"ばかり。 "侑士"とはあたしと同じクラスで隣の席の忍足侑士のことである。 何であたしがこんなヤツの隣に座ってなければならんのだ。 しかも侑士はあたしが岳人の幼馴染だってことを知ってるからことあるごとに絡んでくる。 イライラして来たので目の前で今度は古語辞書を借りに来ていた岳人を後ろから殴ってやった。 「いでっ・・・何すんだよ、」 「うるさい、自業自得」 自業自得も何もやっぱり勝手にイラついて殴ったあたしが悪いんだけど謝ってなんかやるもんか。 「意味わかんねえし・・・」 岳人はブツブツいいながら予鈴と共に去って行った。 そんなに跳んでこけても知らないから。 でもこんな時。 都合よくこけるなんてことは有り得ないのだ。 岳人に言われて始めたテニス部のマネージャー。 今では仕事も素早くこなせるようになった。 「」 「ハイハイ」 宍戸に呼ばれて救急箱を持ってそちらへ駆け付ける。 宍戸は生傷が絶えない。無茶な練習ばっかりしてるからだ。 傷口を消毒して大したことなかったからバシっとカットバンを貼りつけてやる。 その後あたしは休憩の合図をして大量の飲み物を一年生と運んだ。 レギュラーには直に持っていってやる。 偉そうこの上ない跡部とかは絶対自分から動いたりしないから。 まぁでも他より圧倒的に練習量も多いし厳しいからあたしもその態度にはムカつくけど文句は言ってない。 「有り難う御座います、先輩」 鳳君とかは爽やかに笑顔を見せてお礼まで言ってくれちゃうから可愛い。 ・・・それにくらべてコイツら3年の態度はどーにか出来んのか。 「ー」 「何」 「おー怖」 アンタに名前を呼ばれたからよ。 忍足はわざわざあたしが手に持っていた二つを(一応跡部と樺地君の分だった)受けとっていった。 2つ―――自分と岳人の分。 アンタは尽くあたしの仕事を取るのね。 もう岳人の中にあたしの居場所なんかないじゃん。 みんな忍足に持ってかれる。 帰りに岳人に送って貰った。(強引に帰ろうと命じた) でもあたしも疲れてたし岳人は歩くの速いし、段々距離が離れていく。 今のあたしと岳人みたいに。 岳人は黙って段々歩くのが遅くなるあたしの手を引いた。 こうやって手を引いて歩くのはいつもはあたしだった。 改めて見る岳人の背中はあの頃よりずっと大きくなったみたい。 「岳人」 「何だよ」 「ねえ、あたしね、」 「岳人の中に、あたしの居場所はまだあるの?」 自分で言ってて虚しくて声が小さくなるのが判った。 岳人は意味の判らないと言った顔で私を見た。 「だって岳人は忍足ばっかり頼ってるし。あたしじゃダメなの?」 情けない。 涙まで出てきた。 こんな風に泣いたって岳人が困るだけなのに。 あっけにとられたように岳人は一瞬動きが止まったけれど、それから泣いてるあたしをぎゅっと抱き締めた。 「がく・・・」 「、俺お前が好きなんだよ」 岳人は優しくあたしの頭を撫でた。 「好きな女に頼ってどーすんだよ。俺はお前を守ってやりたいのに」 そう真剣に言った岳人はちょっとかっこよかった。 こんな岳人知らない。 あたしは初めて岳人の中の男を感じてどきっとした。 「岳人はあたしが好きなの?」 「・・・幼稚園の頃からずっと」 「忍足よりも?」 「・・・アイツ男じゃん」 「だって岳人は忍足ばっかりじゃん。あたしてっきり」 「アホか」 好きな女にアホとは何よ。 誤解させるよーなアンタが悪いんじゃん(自分勝手な)。 「で・・・返事は?」 「んー・・・」 「テメ・・・一世一大の俺の告白を無下にする気か」 「それはね・・・」 はずっと身長の高い岳人の腕を引っ張って自分と同じ高さまで持って来て、頬に軽くキスしてから耳元で囁いた。 『あたしも大好きだよ』 written by koo hiduki ..... |