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変わる日常 ..... for hyotei festa in 2002 あたしは寝ることとボーっとしてることが大好きだ。 ただボーっとしているわけじゃなくて・・・いろいろ考えているんだが、いつもどっちかをしていることが多いので悩みなさそうとかボケっとしているとかよく言われる。 でも。 あたしよりももっとずっと寝てばっかりのひとがいる。 3年生になって初めて同じクラスになった芥川慈郎である。 テニスが上手いらしいし顔は結構いいから皆が騒いでて名前だけは知っていた。 でも直接喋ったこととかなかったし、なんだか有名人って遠い存在だったし、そうあたしはとにかくどこにでもいる中学生らしい地味〜な生活を送っていたのだ。 まぁちょっと刺激が欲しいなとか思ったりなんかしたけど、特技もなかったし。 高校にいったら何かしようかな、とか、ああいつも朝礼で喋ってる生徒会長とかいいかも、とかもたまにぼんやり考えている。 HRが終わり、掃除を終えては図書館で本を返してから校舎を出た。 図書館へ行っている間にほとんどのひとは帰るもの、部活へ急ぐものと様々で校舎は静まり返っていた。 「さーん・・・」 正門横の道を通り抜けるとテニスコートへ出る。 横から自分を呼ぶ声がした。 は辺りを見回して誰もいないので、その横道の方へ入って行った。 回りを見渡しながら、横道の傍らの大きな木の下に見慣れた人影を見た。 「ジロー君?」 「俺の名前、知ってるんだ」 「・・・あ、いきなりゴメン」 は友達がジロー君と、皆して名前で呼ぶことから自分がつられて名前で呼んでしまったことに気付いた。 「いーよ。俺、さんのこと知ってるし」 いやそりゃ知ってるだろう。 同じクラスだし。しかも隣の席だ。 「さんね、いつもぼーっとしてるよね」 いや、あなたに言われたくないんですが。 あたしよりもジロー君の方がずっと寝ている。 毎時間寝ているから先生に毎時間怒られているのを隣で見ている。 「・・・あのー、こう言ってはなんだけれど、ジロー君の方がよっぽどぼーっとしてるよ。いつも寝てるじゃない」 「そうかな」 「そうだよ!!今だって・・・こんなところで何してたの?」 「んー・・・練習出たくないからここでサボってた・・・」 「・・・つまり寝てたのね」 「あー・・・うん」 「怒られないの?」 「あー・・・怒るかも。跡部とか。監督とか」 跡部?誰だっけ、とはぼけっと考えた。 「あーあの偉そうなひと・・・」 そう言ってまたはっと口を抑えた。 「いーよ。別に俺には関係ないし」 そう言ってにへらっと笑った。 あ、笑うと子供みたいで可愛い・・・。 「・・・・・・・・・」 「あ、」 「・・・・・・迎えに」 「・・・見つかった」 ヤバイ、と言った顔もせず、ジロー君は半覚醒状態のままその首ねっこ掴まれて言ってしまった。 最後にちょっとだけ目を開けて「さん、また明日ね」と言った。 首根っこ掴まれてテニスコートに運ばれてるジロー君を見送った。 『また、明日』 今までで一番ドキドキした1日でした。 written by koo hiduki ..... |