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何でも出来る私の彼氏。そんな彼氏に私は時々自己嫌悪する。 私は彼に似合う女なんだろうか―――? 可愛くなくて、 その上別段頭がいいわけでもなくて、 ・・・言ってて泣きそう。 カッコよくて、頭もよくて、その上テニスも出来る。 テニスの腕はこの名門青学でNo,1で、全国レベル。 できすぎくん、ってドラ●もんで出てきたな〜・・・できすぎくんとはまさに私の彼氏のことではないでしょうか。 そう、私の彼氏は。 青学生なら誰でも知っている(青学でなくても知っているという噂)、男子テニス部・部長、手塚国光。 SANTA ☆ MAGIC 〜一夜だけの魔法 ..... happy merry chiristmas! for ver. K.T サンタクロース。 英語で"Santa Claus"。 いや別に私は英語の勉強がしたかったわけでなく。 ボーっと机の上の辞書を引いたらその文字が目に入った。 サンタ。欲しいものをくれる、御伽噺の素敵なおじいさん。 本当にいるなら。 私に本当に欲しいものをくれるなら。 ・・・・・・・・手塚くんに見合う、美貌をください。 頭は努力で手に入れる。でも美しさは。どんなに努力したって手に入らないんだ・・・。 だから―――。 24日の朝。 なんと目が覚めたら。 「なっ・・・!?」 鏡を見てそこにいたのは・・・ 「私、なの・・・?」 知らない、綺麗な女性だった。 「ー?朝御飯よー!」 「今行くー!」 母親の声がして、はとりあえず返事をした。 軽く髪を梳かして、軽装に着替えて下に行く。 「おはよー。おかーさん」 「あら、オハヨ。御飯そこにあるからネ」 は冷蔵庫に向かいいつも通りカフェオレを作りお気に入りのカップに注いで席に付いた。 「おかーさん、私、いつもと変わったところない・・・?」 「え?どうしたの、ったら。いつもと同じで綺麗だわよ」 いつもと、同じで―――"綺麗"。 そんなこと生まれてこの方この母親の口から出たことはない。 は半ば呆然として朝御飯もスローペースで平らげた。 『12:00 □×公園 時計台』 手帳に書かれた"私"の字・・・。 書いたのは前の私と同じだ。 でも、今の私は・・・? お気に入りのスカートと、白いシャツを着てロングコートをまとい外に出た。 ここではこの私が当たり前みたいだった。 来る時も近所の皆に声を掛けられた。 皆羨望の目で―――。 「早く来ちゃったかな」 時計はあと10分で12時を指す。 キョロと見まわすと、まだ来てないみたいだった。 「」 ふいに後ろから声を掛けられる。 「手塚くん?」 「ああ」 「早かったんだね!」 「ああ・・・早く来過ぎてしまったようだ。行くか?」 「うん!」 手塚と腕を組み、歩く。 いつもは何だか気が引けていたけれど。 ショーウィンドウに映る、2人はまさに美男美女カップル。 (嬉しい☆) これがたとえ1日だけの魔法だったとしても。 今が至福なら―――今を目一杯楽しみたい。 喫茶店に入ると、皆に羨望の目で見られた。 「おにいさん、おねえさん。2人ともすごい美男美女だねえ」 お店のクリスマス仕様のデザインも。 今の2人の引きたて役だった。 "お似合いのカップル" そう見られるのが嬉しくて。 は肝心なことに気付かなかった―――。 陽が落ちて、辺りが暗くなり始めた頃に、と手塚はとても綺麗に飾られて有名な○□公園に向かった。 中央の噴水がとても綺麗で、はしばし見とれていた。 「・・・」 この雰囲気の中、手塚はを優しく包みこんだ。 「が一番綺麗だ」 そういって手塚はに口付けた。 も手塚に綺麗と言って貰えて満足してそのキスを受け入れた。 ―――が。 はそのキスを受け入れながらも、ここにいるのは本当の自分ではないことに気付いた。 今ここで手塚にキスをしてもらっているのも。 綺麗だって言われたのも。 魔法にかかった、自分。本当の自分ではない・・・。 「?何を考えて・・・」 「ゴメン・・・手塚くん」 はその事実に耐えられず、その場を走り去った―――。 手塚くんが、今のを好きだと。綺麗だと言った。 じゃぁ、普段の私は―――? 普通で、別にパッとしたところもない私―――。 みんなにも似合わないって言われて。 私、やっぱり手塚くんの側にいる資格なんてない―――。 「」 「手塚くん・・・?」 「急に走り出すから・・・どうか、したのか?」 「ううん・・・。手塚くん・・・本当に私のこと好き?」 「当たり前だろう・・・?何で今更そんなことを聞く?」 「だって・・・私、何の取柄もないし・・・」 ふぅっと手塚は溜息をついた。 「俺はだから好きになったんだ。でないと、ダメなんだ」 そういって鞄から、箱を取り出してに差し出した。 「こそ・・・こんな俺でいいのか?」 「えっ!?だって・・・手塚くんは私にはもったいなさ過ぎるくらいで・・・!」 「は自分の魅力に気付いてないだけだ。・・・愛してる」 かがんで手塚はにキスをすると箱を握らせた。 ふと、ガラスに映った自分を見ると、そこには普段のがいた。 「メリークリスマス、」 「メリークリスマス、手塚くん・・・ありがとう。大好きだよ」 箱の中には・・・綺麗なネックレスが入っていた。 written by koo hiduki ..... |