Night which is not forgotten



その先輩とはそんなに話したことがあるわけではなかった。
興味もない―――ただあったのは先輩であり、倒すべき相手としての認識。
青学ナンバー2と謂われるその自他共に認めるテニスの実力は本当だった。
頭がよくて無駄のないテニスは試合をしてみて嫌という程理解した。

でもそれだけだった。
このくらいの認識は部長であろうが不動峰の伊武、聖ルドルフの弟・不二裕太でもある。

それが違くなったのはいつだったろうか―――





「越前君」
ふいにその声に呼ばれた。
俺は何も考えずに反応する。
その時からこのひとのかけた罠にかかっていたなかもしれない。

「何か用っスか、不二先輩」

振り返るとそこにはいつもの笑顔の不二先輩がいた。
いつも笑顔で何を考えているのか解らない、近寄り難い二つ上のこのひと。
あまり二人で話すことなどないため少し緊張した。
思えば身の危機を感じた自分から最後のシグナルだったのかもしれない。

「ちょっと君と話したくて」
「はぁ・・・」
それから他愛もない話を少しした。暫くして先輩が聞いた

「越前君は、僕には興味ない?」
何を言い出すのだろうこのひとは。
「何スか、急に」
「君はあんまり僕に興味がないみたいだから・・・僕は越前君に興味あるよ」
まっすぐと見据えられて思わず目を反らす。
「先輩は・・・、俺とセックスしたいんですか?」
「単刀直入に言うね・・・まぁでも、そうかな?」
にっこり微笑まれてなんて綺麗なひとなんだろうと思った。

「・・・ねえ、キスしてもいい?」
「・・・勝手にすれば」
「じゃ勝手にするよ」
何秒あったんだろう、不二先輩の腕が伸びてきてリョーマの顎を捕らえた。
俺はなんとなく目を閉じてその時を待つ。
不二の口唇がリョーマのそれに軽く触れた。
「ん・・・っ」
リョーマは思わず声を上げる。
その隙に唇を舌が割って入って来る。
「んんっ・・・ぁっ」

「いい声だね・・・」
「先輩はキスが上手いですね」
皮肉を込めたつもりだった。
「俺結構上手いんですよ」


―――試してみる?




その後リョーマは言われるまま不二の家に行った。部屋に案内される。
「おうちのひとは?」
「両親は出張・・・普段からあまり帰って来ないひとなんだよ。姉さんは、どこかで飲んでるんじゃないかな」
答えながら後ろから抱き締められた。
それが妙に心地良い。温もりに身体を預けて目を閉じる。
顔が首筋に当てられて愛撫するように着ていた制服をぬがされていく。
急に恥ずかしくなってリョーマは自分から荒々しく口を押し付けた。
「・・・激しいね」
ベットが軋んで二人の身体が重なった。

「愛してるよ、"リョーマ"」


初めて、名前で呼ばれた―――







次の日会った時には不二は至って普通にリョーマに接した。
『越前君』
不二の呼び方もそう元に戻っている。
あの夜は何だったのだろう―――
けれど不二のリョーマに対する興味がなくなってしまったというのは確かだ。

「リョーマ」
恋人が名前を呼ぶ―――不二先輩とは違う声で。
「どうかしたのか?ボーっとして・・・」
「何でもない」
そういって言い返されないように、相手の口を塞いだ。
あの、激しいキスとは違う、今の恋人に合うような優しいキスを。




だから、今でもあの夜を忘れらない―――




written by koo hiduki .....






実はこれはキリリクのつもりで書きました。ごめんなさい。
あまりに駄文過ぎる上に短いので却下しました。
でもストーリー的には気に入っているのでアップしちゃいました(をい)
・・・でもこれアップしたらネタ切れを起こすかもしれない。(キリリクの方で)
最後の、リョーマの"恋人"は誰なんでしょうね?ご想像におまかせします。
もちろん、僕的恋人役のひとがいて書きましたが、敢えてここでは言いません。

キリリク文お待たせしていて申し訳ないです(死)



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