紙一重



バカは風邪引かないとかってよくゆうけれど。
アレってちょっとウソだと思う。
返って天才と呼ばれているヒト方が引くんじゃない?
それに天才と馬鹿は紙一重ってよくいうしね。


けど。


天才と呼ばれている俺の恋人は、いろんな意味でスゴイから風邪―――というより病気とは縁遠いと思ってた。

そう、俺の「恋人」が風邪を引いたらしい。




「あれ?」

その日朝からいつも側にいるハズのヒトの姿が見えないのでリョーマは違和感に気付き間抜けな声を出した。
「にゃ?どしたの、おチビ」
すぐ近くにいた菊丸がすかさず声をかける。
けれど菊丸にはリョーマが何を聞きたいのか大体予想はついたので少し顔が緩んだ。

「・・・しゅー・・・不二、先輩は?」
普段ヒトにモノを聞くということに慣れていないのか少し戸惑いがちにそう告げる。けれどその目は真剣だった。
「不二ね、風邪だって」
やっぱり、といった顔つきで菊丸はリョーマの知りたかったことを教えてくれる。

「不二先輩が?」

失礼かもしれないが―――あのひとはいろんな意味でスゴイ、というか怖いトコロがあるので病気とは無縁ぽい。つい信じられなくて声が驚いてしまった。

「ねっ、俺もそう思う!あの不二がね―――明日は雪だにゃっ」

さりげなく、さりげなく、菊丸はしかも本人がいないのをいいことに不二が聞いたならば自分の明日の身がヤバイことをいう。
今は季節でいうなれば夏―――日差しが暑い。雨ならまだしも雪なんか絶対降るわけがない。
簡単に言えるのも菊丸故、なのであろうが。
そんなことよりもリョーマは不二の容態を何故菊丸が知ってて自分が知らないのか、そのことに少し腹がたった。
そのムッとした顔つきの変化に気付いたのか菊丸はニヤッと笑って続ける。
「同じクラスだからにゃ。担任に言っといてって不二のおかーサンに頼まれたんだよ」
そうか。でもそれにしたって気に食わない。ひとこと。たったヒトコトでも言ってくれたら良かったのに。


でも―――

会いたい。

すごくすごく会いたい。


たった一日会えないと考えただけなのに、もうこんなにセツナイ。


会いに行こう。お見舞いに行こう。そう、決めた―――


今日は授業がいつにもまして長く感じた。けれども不二のことが気になって居眠りもできない。
気付いたら放課後でとりあえず部活に向かった。8人いるレギュラー陣もいまは7人。
桃先輩と軽い打ち合いをしていると「越前」と後ろから部長の声がした。
「上がってもいいぞ」
「え・・・やれますよ」
そんな状態で練習しても意味はない、とびしっと言われリョーマは少し泣きそうになった。
けれどホントウのことだったので。
「・・・っス・・・!」
失礼します、と言ったつもりだったけれどきちんと言葉になっただろうか。
とにかく今は急いであのひとのもとへ行くだけ。早くラクになりたい。苦しい。


「・・・手塚にしては珍しいな」
大石が隣に立ってそう話しかけてきた。さきほどの、不二がいないことで少し暗い越前を気遣っての言葉のことを言っているらしい。
「ま、たまにはいいんじゃないか?ただ―――言い方にちょっとモンダイあったかもな」
コートを出ていくリョーマの少し泣きそうな顔を思い出す。
あとで不二にバレたら怒られるな―――と、そう思いながら部室から急いで校門に向かうリョーマを見送った。




「わざわざありがとねえ」
「イエ・・・」
インターホンを押すと、不二先輩の母親が出てリョーマはすっきりと整った部屋に案内された。
奥のベットでは不二先輩が眠っていた。すごく、綺麗な寝顔。

少し見とれていると後から先輩のおかーサンがおぼんにジュースを持って戻ってきた。

「あ・・・すいません」
「越前くん・・・悪いんだけどオバサン買い物済ましてきちゃいたいから、少しの間周助のこと頼んでいいかしら?」
「いいですよ」
1時間くらいで戻るから、と言ってオバサンは出ていってしまった。


カチカチカチ・・・


部屋の机の上にある時計の針の音が響く。
リョーマはしばらく不二の寝顔を見ていた。滅多に見ることができないから。2人でいる時はリョーマの方が起きるのが遅い。
不二の整った顔は寝顔もすごく綺麗だ。



















「ん・・・」

しばらくしてリョーマは自分が寝顔を見ているままベットに頭を預けて寝てしまっていたことに気付いた。
あれから30分くらいたって、まだ不二先輩のおかーサンは帰っていないようだ。
眠い頭を必死で起こそうとするがまだボーっとする。

「・・・不二先輩・・・周助」

まだ眠り続ける恋人に話しかけてみたりする。けれどまだ起きる気配はない。


「・・・・・・好き・・・」


普段だったら絶対言わないような言葉。

けれど言ってからすごく恥かしくなって思わず顔を隠してしまった。―――ので、不二が目を開けているのにも気付かなかったのだ。

「今日は・・・」
「・・・うん」
「すごく・・・淋しかった」
「・・・うん、ボクも」
「・・・!???」

リョーマが思いきり顔を上げるとそこにはいつもの優しい笑顔の不二の顔。

「センパっ・・・いつから・・・!」
「うん?リョーマくんが起きる10分前くらいかなぁ」
ニッコリ、と微笑まれリョーマはさらに真っ赤になる。

「ねえ・・・嬉しかったよ。もう一回言ってよ・・・?」
そしたら風邪なんてすぐ治っちゃうよ?、とそっぽ向いているリョーマを後ろから抱きしめて囁く。
「し、知らない・・・っ」
「リョーマくん?」
「・・・///」
「愛してるよ・・・」




「オレ・・・も。好き。周助が好き。一番好きだよ」




大満足の微笑を返されリョーマはさらに赤くなる。
そして強引に不二の方を向かされ口に軽くキスされる。

「・・・せんぱいっ///、風邪引いてるんだからおとなしくしててくださいよっ!」
「リョーマくんが添い寝してくれたらよく眠れるカモv」
「〜〜〜〜〜っ冗談ばっか言わないでくださいっ」
「あ〜ハイハイ。うつっちゃったら大変だしね、今日はこれで我慢するv」




とりあえず後日(おまけ)+++

不二先輩復活。そして謎の情報網により菊サンの失言を入手、あわれ菊丸行方不明(笑)
さらに、王子を泣かせ(そうになっ)た手塚部長、とりあえず早退させてくれたので難を逃れたとか。




written by koo hiduki .....






かはっ・・・(吐血)←最近の僕の口癖。無意味。
しかもコレ書くつもりのなかったボツネタのやつ・・・オチがない。



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