小さな告白



「ねえ・・・桃先輩」
「ん・・・?」

いつもの帰り道。
桃城の漕ぐ自転車には若干一年でレギュラーとなった越前リョーマが乗っている。
知らず、当たり前になっていた、その光景。


リョーマは現在両手を桃城の肩に置き、荷台に立っている。
少し背を縮めて口を桃の耳元辺りまで持っていき小さな声で言った。


「桃先輩・・・好きっす」






キキーッ

がっしゃーんッ



(※作者注 ここでどうやって倒れたかは突っ込まないでください。どう考えても無理なのわかってマス。それでも無理矢理でも倒したかったんです、スイマセン)






すさまじい音がしたと思った。

気付いたら自転車ごと傾いていて―――倒れていた。
幸い公園近くの裏道で人はいない。まぁ後で考えてみるとひとがいなかったからこそ、リョーマもあんなことを言い出したのだろうが・・・。

倒れる寸前とりあえず桃城は咄嗟にリョーマを抱え込み、自分が下敷になった。



「悪ィ・・・怪我ないか?」
桃城はリョーマの顔を覗きこんだ。リョーマは「平気っす」と言ってじぃっとそのまま桃城を見つめた。

リョーマは今すっぽりと桃城の腕の中にいる形になっている。リョーマが立たなければ桃城も立てないわけなのだが、リョーマは一向に立ちあがろうとしなかった。

「越前・・・?どっか痛いのか?」


「・・・でした?」
「へ?」
「・・・迷惑、でした?」



・・・。(思考停止)


なんだ、コイツ、めちゃめちゃかわいい。



わかっていたが小さな身体。
普段の強気な態度で隠されていたがよく見たら折れそうである。
大きな瞳で上目遣いに見てくる視線に圧倒される。


「そ、そんなこと・・・ねえけどよ・・・。その、なんだっ。驚いちまってな・・・」

これだけかわいいのだ。
やっとどこへいってもコイツの回りのやつが騒ぐのが分かった。

うーん、俺って鈍感だったのか。



「・・・ふーん」
「・・・っておい、ふーんってなんだ、俺は一応お前の先輩であってだなぁ・・・」
「で、結局?桃先輩は俺のことどう思ってるわけ?」
「・・・へ・・・」
「早くしてくれないと、俺誰かのものになるかもよ?」


「・・・嫌だな」





反射的にそう答えていた。
別に何か考えていたわけじゃなくて。

ただ、コイツを誰にもやりたくないと思って。

一緒に帰る権利も、

コイツの、側にいる権利も、


誰にも譲りたくないと


そう、思った。




「・・・ねえ」
「あ?」
「ちゃんと掴まえておかないと、俺どっかに行っちゃうかもよ」

初めて、俺から越前を掴まえた。

腕に力を込めて抱き締めると、やっぱりその身体は折れてしまいそうで。


「行くなよ―――俺も、お前のこと好きだわ」
「もっとちゃんといってよ」

「贅沢なヤツだよな、お前って」
「・・・今頃知ったんすか?」




written by koo hiduki .....






随分前に書いたのですが・・・。
掴めません。桃ちゃん。もっとカッコよくしたかったのに。
精進します(死)。



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