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Third Language すぱーん・・・ 「ちっ・・・ダブルスコートか」 あと1,2cmでシングルスコートに達するというのに。 海堂は再び練習を続行するために目の前の相手に向かってボールを打った。 「・・・好きだ」 告白するつもりなんかなかった。 ただ。 ただひとの誕生日なんて気にもしなさそうなやつが祝いの言葉なんかを言ってくれたから。 だから少し期待したのかもしれない。 気付いたら自分の気持ちを相手に伝えていた。 「ふーん」 それに対しての相手の反応は慣れたような至極普通のものだった。 「・・・それだけか」 「他にどうして欲しいわけ?キスでもして欲しいの?」 淡々と、別に何でもないことのように顔色一つ変えずにそう言った。 ああ、アメリカ育ちだから・・・だからキスなんて普通のことなのだろう、とその時は思った。 「・・・・・・して欲しいといったら?」 何度欲しいと思ったか判らないが、でも本気でして欲しいと思ったわけではなかった。 ただのかまかけ―――けれど。 「いーよ」 そう言って告白した相手―――越前リョーマは海堂の頬に手を軽く添えて背伸びをし軽く唇に唇を合わせた。 「Deepはダメ。俺は先輩のこと別に好きじゃないから。このままがいい」 「・・・・・・・・・わかった」 「じゃ、お先に」 そのまま少年は行ってしまった。 後には唇の感触だけが残った。 すぱん・・・ 『先輩、今日誕生日なんスね。おめでとーゴザイマス』 ぱぁん・・・ 『俺は先輩のこと別に好きじゃない』 「海堂、今日はもう止めた方がいい」 「・・・余計な世話っスよ」 「・・・このまま練習を続けても意味がない。どうしても何かしたいんだったら別のトレーニングでもするんだな」 「・・・・・・・・・」 「何があったか知らないが、あんまりテニスに当たるなよ。・・・片付けは俺がやっておくから、今日はもう上がっていいよ」 海堂は無言で軽く会釈をして流れる汗を吹きながらおとなしく部室に向かった。 打球に自分の感情が移っていたのか、相手をしていた乾には海堂が落ち込んでイライラしていることがなんとなくわかった。 乾はボールを集め、ネットを軽く落とすと部室に着替えに向かった。 既に帰り支度の済んでいた海堂は入れ違いに学校を後にしようとしていた。 「海堂」 「・・・何スか」 「もっとリーチを付けて、腰をしっかり落として思いっきり振り抜けばブーメランは完成すると思うよ」 「・・・・・・どもっス」 「それと・・・自分の気持ちを大切にな。忘れる必要はないから、そのままの今を受け入れることだよ」 「・・・・・・」 「氷帝戦、頑張ろうな」 「・・・・・・っス」 「あ、それと」 「・・・・・・?」 「誕生日だったな、おめでとう。じゃ、今日はお疲れ様。また明日な」 海堂は乾にまで言われると思わなかったので目を見開いた。 今日三度目のその言葉は、少し暖かった―――。 written by koo hiduki ..... 誕生日だし…。でも一体何が書きたかったのか判りませんNE☆(死。 短いし。僕の中で乾海設定がないので、まだ芽生え始めといった感じなのですよ。 ラスト、祝いの言葉が三度目という事ですが最初は一応家族です。(葉末君希望…) 「おにいさん、お誕生日ですね。おめでとう御座います」という感じで。 |