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Cage ..... thanks 8000 HIT for 香様 いつだっただろうか―――心の奥底に黒い物が生まれた気がした。 けれど誰にも見られないように、優しい微笑の下に感情を押し隠した。 殺意にも似たその、破壊のこころ―――。 いつからこんなに狂ってしまったんだろうか? もう、あの頃には戻れない―――。 「部長」 手塚を呼んだのは、まだ青学にもテニス部にも入ってまもない1年の越前リョーマだった。不二はそこで何故か、そこで立ち止まって釘付けられたように様子を見てしまった。 手塚が呼ばれて顔を上げるとそこには越前のまだ幼い―――けれどどこか余裕のある大人びた綺麗な顔があった・・・。唇に触れる何か温かいもの―――手塚が理解するのに数秒はかかっただろう。こういうことには疎い手塚が戸惑っているのが分かる。 数秒後―――反射的に手塚は越前の身体を自分から突き放した。 「何をする・・・っ!?」 唇を軽く押さえ、困惑しているという表情を顔一面に広げ、手塚は越前を見た。 「ねえ・・・俺部長が好きなんすけど。―――気付いてなかったんすか?」 いつもの―――まるで試合をしている時のように少し楽しそうに手塚を見上げ、越前は言った。 いきなりこんなことをされ―――アメリカ育ちの越前にとっては挨拶みたいなものなのだろうが―――手塚は必死に平常心を取り戻そうとした。 「・・・オマエなど興味はない」 それから、手塚は突き放すように言葉を作り口にした。 その言葉にリョーマは一瞬淋しそうな顔をする。無論、手塚が気付く事はなかったが・・・。 「・・・そっす、か」 リョーマはすっとその場を立ちあがった。そのまま戸口へ向かい、出る時に掃き捨てるように言った。 「わかりました・・・。でも・・・諦めない、っすから」 ドアはとても静かに閉まった。 不二もそこから動くことが出来なかった。 最初は好きだとかそんな感情があったわけではなかった。 青学のNO.1とNO.2・・・。ひとからそんな風に見られていて。自分たちも一緒にいるのが当たり前で、手塚も不二のテニスの強さを買い、不二自身を認めていた。 それがいつからだったろうか・・・。 彼を、手塚を独占したいと願うようになったのは。 けれど実際それを強く望んでいたわけではなかった。まわりから見られているのと同じように実際今一番手塚の側にいるのは、自分だったから。それよりも何かをいって今の関係が壊れる方がよっぽど怖かった。 このままでいい・・・。 そう、そうずっと思っていた。 ―――それなのに。 越前くんはあっさり自分の気持ちを手塚にぶつけた。 自分の中に何かが疼くのを感じた・・・。 不二はその場をゆっくり離れ、校舎裏の方へ向かった。 ボーっとただ、その事実を考えて歩いていると、すすり泣くような声が聞こえた。 どこかで聴いたことのある声だった―――そして、そのまま声の方に進んでいった。 そこには先程、手塚に告白したばかりの越前がいた。 「不二先輩・・・っ」 急いで涙を拭い、事実を覆い隠すように強気な目線をこちらに向けた。 不二はリョーマを見つめ、「聞いてた」とぼそっと言った。 「聞こえちゃったんだ。・・・ゴメンね?」 リョーマはいつものポーカーフェイスのまま、言葉を続けた。 「・・・聞こえてたんだ。別にいっすけどね」 そのまま行こうとするリョーマを引きとめるように不二は急いで言葉を放った。 「泣くほど―――・・・泣くほど、手塚が好きなの?」 リョーマは半分振り返って不二を視界に入れると冷たく言い放った。 「・・・アンタには関係ないじゃん」 そりゃ言われてみればそうだ。 リョーマはそのまま行こうとしたが、もう一度振りかえった。 ―――それとも、アンタが俺を慰めてくれるの? 「え・・・?」 慰める? 「アンタが、俺の欲求を満たしてくれる?」 今度はもっと分かりやすい言葉で言う。 不二は自分でもどうしたいのか分からなかった。越前はゆっくり不二に近づいて来てその唇に自分のそれを軽く重ねた。逃げる事は出来たのに、受け入れている自分がいた。 「分かってると思うけど、俺が好きなのは部長だよ」 「でも誘ったのは君だからね」 それだけ関係。 感情も何もない、ただ事実が残るだけの関係。 二人ともそう割り切っていた。 その後、越前の家にいって抱いた。 悲しいような、切ない味がした―――。 written by koo hiduki ..... >>> |