A sweetheart's kiss ? or … ..... thanks 9999 HIT for 倉田一弥様



「先週の日曜日、何してたんだよ」

越前リョーマが休み時間屋上で一人風に当たっていたところへ、恋人である菊丸英二が厳しい顔付きでやって来てそう言った。
"先週の日曜日"―――は、『用事有るから』と言って恋人の誘いを断った日だった。
いつもはここまでプライベートに突っ込むようなことはしないのに、今日の相手は真剣そのもので答えを言うまで解放してくれそうになかった。


「・・・別にどうでもいいじゃん」

別に言いたくなかったわけではない。
けれど、出来るならこのことは自分の中だけに仕舞っておきたかった。

「よくない。おチビ、『用事有るから』って言ってたよね。その『用事』って何?俺には言えないこと?」
「・・・別に。エージには関係ないことだよ」


他に言い方があったかもしれない。
けれど、その時の俺はしつこい相手に半分うんざりしていた。

聞かれたくないこと。
誰にでもあることだろう―――。




「・・・・・・・・・他の男と会ってたから?だから言えない?」




下を向いたまま、普段よりも1トーン低い声で言ったから初めはよく聞こえずすぐに反応を返す事が出来なかった。



「・・・えい・・・・・・」
「・・・しらばっくれなくていーよ。俺見たんだ。おチビ、俺に飽きたからそう言ってくれていーよ?」
「は?何言ってんの?」




先週の日曜日は、久々に帰国した元恋人である徳川プロと会っていた。
まだ恋とか愛とかを初めて知ったあの頃の自分。
幼いながら芽生えた独占欲に満ちていた侵されたと言っても過言ではない程の深い愛という名の感情を、相手にぶつけ自分ごと傷ついて傷つけて―――だから、離れた。
菊丸英二という新しい相手と出会い、だからもう一度徳川にも会う気になれた。



「俺には言えないってわけ?」

そう言って投げて寄越したのは携帯だった。
リョーマが手にとって見るとそこには昨日の写真があって、ちょうど別れるところだったようだ。
何故別れるところ、と具体的に判ったかというとそれは頬にキスし合っているところであったから―――アメリカでは普通の親しいものと別れる時の挨拶で、幼い頃から一緒にいるリョーマと徳川もまた同様だった。

わざわざ写メールで英二に送って何の得があるというのだろう。
誰だか知らないがリョーマは少し苛ついた。


「・・・知ってるんだったらわざわざ聞かなくてもいーじゃん」

しつこ過ぎる相手と、余計なことをされた匿名の相手に苛つきが増してリョーマはぶっきらぼうにそう答えた。


「じゃ質問変える。この一緒にいる男は誰」
「・・・・・・徳川さん」
「プロの?・・・おチビの元恋人とかいうオチじゃないのよね」
「・・・・・・・・・」


図星。


鋭い。



「え。まさか本当にそうなの?」
「・・・・・・うん・・・」
「・・・・・・・・・じゃぁやっぱり」
「やっぱりなんなの」
「おチビまだ徳川さんに未練があるんじゃないの?」
「・・・・・・(プチ)」


リョーマは自他共に認める程気が短い。(O型だけど)
こんな遠まわし過ぎるやり取りをのんびり続けられる程気が長くはなかった。
半分切れ気味にまくしたてる。

「徳川さんは元恋人で、初恋の相手だけど、別に今更より戻そうとか思ってないよ。忙しいひとだし、久々に日本に帰国したから会っただけ。それに」


リョーマは一息ついて、じっと目に力を入れて菊丸を見た。
それから、菊丸に飛びついて、しっかり両腕を首に回す。


「今はエージがいるから。俺はエージだけいればそれでいい」


そう言って写真と同じように頬に軽くキスをした。


「アメリカじゃこれは挨拶だからね」


そのまま胸に顔を押し付けるように埋めた。




「じゃぁ、恋人には?」


意地悪くそう尋ねると、少し恥かしそうに回りを確認してから軽く唇を合わせた。

放してから少し小首を傾げて「今度はエージからして?」とリョーマが強請る。





「いーよ。何回でも」




遠くで授業開始のチャイムが聞こえたが、二人がそこから動くことはなかった・・・。













3−6にて―――


「英二、戻って来ないや・・・これは一つ貸し、かな」




written by koo hiduki .....






倉田様、遅くなって申し訳有りませんでした…(逝)



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