A slave king ..... thanks 70000 HIT for 甲斐様



例え、それが嘘の愛情でも、あなたに抱かれるならそれでも良かった―――。








がこのお屋敷―――跡部宅へ来たのは3年前のことだった。
母親がこの屋敷でメイド頭を務めていた関係で、も16歳という結婚も出来る歳になりここで学校に通いながら働くこととなった。
跡部家は外部からの侵入をひどく嫌う。それは企業が大きくなればなるほど仕方のないことだ。
人手不足となった時、ちょうど16を迎えたに話が来た。

主な仕事は跡取である景吾の身の回りの世話。
景吾が中学に上がる際に、歳が近かったこともありまだ新人のが命じられた。









ガチャと無造作に開けられた扉の向こうにはブレザーを着た今だ中学生の若い少年がいた。


「景吾様、お帰りなさいませ」

跡部家のメイドの数人が並び声を揃え、深々と頭を下げてこの家の跡取である少年を迎えた。
は一番最後尾に着き、景吾役のメイドとして声を掛けた。
無表情を装い、景吾の背後に回り制服の上着を脱がせた。
上着を片手に自室とは反対方向へ向かう景吾の後をは追った。

「こちらはお部屋の方へお持ちしておきます。そちらのお客様は・・・」
「ちょっとー、ケーゴ、何なの、この女」

は出来るだけ無関心に景吾の隣にいるいかにも男遊びの激しそうな女をチラと見た。

「・・・もう下がっていい」
「かしこまりました。・・・何か、ありましたらお呼び下さいませ」

いつも、女を連れて帰った日はそうだ。
跡部は遊びの女を自分の部屋にいれようとはしなかった。
客室の前を通り過ぎると聞こえる不規則な息遣いと喘ぎ声が聞こえる。
は聞くのが嫌でいつも耳を塞いでいた。

もうが景吾の担当について2年が経とうとしていた。
最初は年下の主人である跡取息子をどうとも思っていなかった。
擦れ違う生活だったので最初の数ヶ月は会うことさえなかった。


が専任を命じられてから―――
景吾と接する機会が増え、はいろいろな面を知った。












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『景吾様、景吾様、お風邪を引きますよ、きちんとベットでお休みくださいませ』

自室の机でうたた寝をしていた景吾をは起こそうとしていた。
何度か肩を揺すってみたものの一向に起きる気配を見せない。
は溜息をついてとりあえず毛布を肩にかけて差し上げた。

『ん・・・』
『景吾様?』

目を覚ましたのかと思いもう一度顔を覗き込むようにして様子を伺うと―――


『・・・っ!』
『・・・・・・た、っ・・・?』


腕を引かれてきつくキスをされる。

誰かと勘違いしているだろうか?

景吾はそのまま寝入ってしまった。


『景・・・』


は突然の出来事に何を考えることも出来なくなった。
そのまま眠りに再び落ちていく跡部を直視出来ないまま相手の温もりの残る唇を押さえ慌てて部屋を出て行った。











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はそこまで回想して、ふいにきゅっと顔を上げ、必死に忘れようと仕事戻った。


いまでも、残る、あの感触から逃げようと―――。
それからあの時のことは覚えていないのか、景吾は何もなかったように振舞っていた。
だからは何も言わない。

何も、言うことが出来なかった・・・。








部屋の掃除を終え、夕食の準備のチェックを終えて、は休憩に入った。
普段は住み込みで働いている為、には一室が与えられていた。

食事を終えて横になっていると、部屋がノックされる音がした。


「はい?」
「ごめんなさい、さん。景吾様があなたをお呼びなの」
「私を?有り難う、すぐ向かいます」
「お願いね」


は服を整えて急いで部屋を出る。

普段あまり人との関わりを避けているようにも思える景吾がを呼びつけることは珍しかった。
は水を持って景吾の部屋を尋ねた・・・。


ノックをして扉を開く。

「景吾様―――・・・失礼します、景吾様?お水、お持ちしましたが・・・」

ここに置きますね、とサイドテーブルにコップを置く。
を呼んだ当人はベットにうつぶせになったまま。

「景―――」

がベットを覗くと―――腕を強く引かれた。


「え・・・っ!?」

いきなり引かれた腕にそのままベットに倒れ込む。
上から覆い被さるように乗ってくる―――相手は主人である跡部景吾だった。
よく見ると景吾は未だ制服のままだった。

「景吾様!?何を・・・何をなさるんですか!?」
「・・・ヤらせろよ」
「バカなことを仰らないでくださいませ!」
「あんまり暴れるんじゃねぇよ」

首に軽く掛けられていたネクタイを外しての両腕を縛った。

「な・・・っ何するんですか・・・!?」
「・・・」
「さっきの、方だけじゃ足りないっていうんですか・・・っ!」
「うるせえな」









「・・・・・・一人で、いたくないんだ・・・っ」

の首筋に顔を埋めるようにして、低く声が漏れてくる。
腕力の差もありは動こうとしても少しも動く事が出来なかった。



「景吾様・・・」

このひとは・・・。

淋しさゆえに誰かを求める。



「悪ィ・・・もう少しだけ」

このままで。



はそれを甘んじて受け入れた。











暫くして景吾はの持って来た水を飲みながら窓辺に立っていた。

こんなに側にいるのに、自分ではない誰かを求めているような気がした。
淋しそうな背中がすごく辛くて、は立ち上がり後ろから景吾を優しく抱き締めた。




・・・」
「景吾様、私・・・」



は自分が何を言おうとしているのかよくわからなかった。
ただ、その想いだけ。



「私は、ずっと景吾様のお側におります」


何が、あっても。
あの夜・・・突然キスされたあの夜、気付いてしまった。
この年下の主人には恋人がいることを。
自分は誰かと間違えられたのだ。
今思えば、あの日のことを跡部が憶えてなくてよかったと思う。

自分だけの胸のうちに仕舞っておこう・・・とそう誓った。







「かっこ・・・悪ぃとこ見せちまったな、もういいぞ、いって」
「はい」


失礼します、と軽くドア前で頭を下げては扉を閉めた。





腕に残る少し赤い跡に、切なくなった。

あの時自分は何を思っただろうか。
別に構わない―――、とそう思った。



でも、

けれど自分ではないのだ。

彼に、必要なのは。





胸が少し痛んだが、涙は不思議と出なかった。




written by koo hiduki .....






ドクターストップ(つまり空ストップ)がかかりケーゴ様これ以上ちゃんを襲うことは 出来ませんでした(ヲイ)次週乞うご期待!(次週があるのか)
でもホントに全然終わってない…ケーゴ様に実は愛人とおぼしき恋人がいそうな雰囲気を
漂わせているところとか!!



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