「失礼しまーす」

ガラと職員室を空けると、会議が終わった直後らしく知らない先生方が沢山部屋の中にいた。ざわざわと終わるのを待っていた生徒もいたので結構騒がしかった。

は近くにいた先生に話しかけ、竜崎先生を確認した。

「竜崎先生はそこにいらっしゃる先生よ。私と一緒に行きましょうか・・・竜崎先生、このこが先生に顧問してらっしゃる部活に入りたいそうなんですが」
「ああ、川上先生、わざわざありがとうございます」

失礼しますというように川上先生(そういう名前らしいと今知った)がその場を離れて行った。

「さて。えーっと・・・」
「1年2組のです」
「1−2(リョーマが確かそのクラスだったか・・・)、さんは私の顧問している部活に入りたいということなんだが」
「はい」
「私の顧問している・・・というと男子テニス部かい?」
「はい、そうです。ぜひマネージャーをやらせていただきたいと思ってマス」

はなるべくはきはきとした口調で答えた。

の真剣な目を見て、竜崎先生は今までのようなレギュラーに取り入るだけが目当ての少女ではないのか・・・と少し思った。

「辛い・・・のは分かってるかい?」
「はい、練習が大変なのと同じくらい大変だと思います・・・精神的にも。けれど、私―――やってみたいんです」
「そうかい」

ふっと竜崎先生は少し考える仕草をした。

「これからコートに行くから、一緒に行こうか。そこで部長と副部長の意向を聞いてから決めることにしよう―――それでいいかね?」



「はい」





SECRET ☆ LOVE 3








「手塚、大石!」

竜崎先生はコートに着くなり中心位置にいた2人を呼んだ。



「あ、さっきの」
堀尾がその様子を見て言葉を零す。
「あのこだ。本当に先生のところにいったんだ。行動力あるこだなぁ・・・。ねえ、リョーマくんもそう思わない?」
と、カチローがリョーマの方を振り向くとまったく興味がないのかボール拾いを続けている。(ていうか王子ってボール拾いしなさそうなんですけど。人任せで/笑)




「竜崎先生、どうしたんですか?」
大石が(爽やかに)そう尋ねる。手塚は相変わらず無言だ。(失礼)

「いや、このこ―――1年生なんだが。マネージャーをやりたいというんだ。2人が良ければ私はやらせてやってもいいと思っているだが」
「1年のです。よろしくお願いします」
ぺことは頭を下げた。

「先生―――・・・お言葉ですが、マネージャーは必要ありません」
これまでのことを考え、手塚は頑なにそう言った。
「まぁまぁ手塚―――まだ1年生だし、実際マネージャーは必要だよ。でもさん、うちのマネージャーの仕事はすごく辛いと思うよ?何人も辞めていったし。だから手塚も渋っているんだが。個性の強いヤツラばっかりでね・・・」



「わかってます。辛いのは。それでもやりたいんです、お願いします―――」
少し切羽詰ったようにそう必死に述べるに手塚も少しは考え始めた。

「いいだろう」

手塚がそう言ったらは少しホッとしたように竜崎先生を見た。
「本当に辛いと思うから、とりあえず一週間やってみなさい。それから正式採用にしよう」
「・・・わかりました。あの、聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「どちらが部長さんでどちらが副部長さんですか?」
が真面目に尋ねると、大石が少し笑って答えた。

「ああ、すまない、自己紹介が遅れて―――俺が副部長の大石で、こっちの無愛想なのが部長の手塚だよ」
「はい、手塚先輩と大石先輩ですね、私頑張りマスのでよろしくお願いします!」
「じゃぁ、部活のことは俺から説明するよ。手塚、俺はさんに案内してくるから」
「わかった」
「じゃぁ、さんまずは部室に行こうか。歩きながら少し説明するよ」
「はい。あ、竜崎先生ここまでありがとうございました。私頑張ります。失礼します」
「ああ、頑張るんだよ」

竜崎はまるで孫を見ている気分になった―――。





「うちの部室はね、あれだよ」
大石が指を示した先には白いプレハブハウスみたいな部屋があった。
「わ、近いんですね」
ガチャと入るとそこはよくあるなんていうか、男くさい汗くらいニオイが少しした。
「汚・・・。あ、すいません」
「いいよ。正直で」
たまにしか片付けをしないので、目も当てられない程ではないが、決して綺麗ではなかった。はそこで絶対片付けをしようと決めた。

「そこのホワイトボードに練習予定や試合予定が書かれているから。マメにチェックするようにして。それからそこのロッカーに必要なものが入ってるよ。冷蔵庫は飲み物保存に使ってるんだ」

冷蔵庫があるなんて贅沢な部だなぁーと思いながら(本当にね)、は棚を開けた。テーピングやら湿布やら、ポカリの粉など―――めっちゃめちゃに入っていたのでやっぱり整理しようと決心した。
それから、と大石はクラスで日直が書くような黒いノートを渡した。
「これが部誌だよ。今年のだからまだ新しいヤツ。今までのは手塚と俺が書いてるから。今日からお願いできるかな?」
「はい、もちろんです。あ、大石先輩も練習ありますよね。飲み物の準備と、タオルと、あとスケジュール管理くらいが主ですか?分からないことがあったら随時聞くので。練習に戻らないと」
「大体分かってるんだ?じゃーそろそろ戻ろうかな。あ、そうだ。部員の紹介がまだだったね」
「はい!じゃ、今一緒に行くんでお願いしてもいいですか?」



そうして2人はコートに戻った。




「大石ー!何やってるんだにゃ・・・・・・って彼女誰?ま、まさかっ大石の彼女!?」
「違うよ、エージ。彼女、マネージャーだよ」
「えええっ。ホントに!?ホントに!?嬉しいにゃ〜〜〜」

抱きっと思いっきり抱き着かれはビックリして赤くなった。

「菊丸!何をやっている!校庭20周だ!」
「ええええっ!にゃんでえええ」
菊丸の鳴き声のような声が響いても手塚は無視して号令を掛けた。

「全員集合!」

「うぅ・・・鬼だよにゃ、手塚は」
それでも一向に離さない菊丸に大石が助け舟を出した。
「ホラホラ、エージ。さんが困ってるよ」
「あ、ごめんにゃ」
言われてやっと解放されてはホッとため息をついた。
けれど落ち着く暇もなく手塚部長の声が続く。


「マネージャーを紹介する」

それだけですかい。
は思ったが、先ほどから口数の少ない手塚だったので仕方ないかと思い顔を上げた。すうっと息を吸ってなるべく大きな声で言った。

「1年2組のです!まだお験し期間なんですが、頑張りますのでよろしくお願いしまーす!!」

にっこりと微笑んだ。目一杯の笑顔で。

・・・でもその後恥かしくて顔を下に向けたが―――。



その後手塚の指示で個別に話す間もないまま、部員は練習へ、はマネージャー業へ戻った。ジャージに着替えるために部室に戻り軽くゴミ拾いをした後、出されていた洗濯物、それから見つけたものを放り投げ洗濯機のボタンを押した。

その後はホントに嵐のように時間は過ぎていった。
もともと途中参加だったために、時間がなく、タオルをたたみ人数分用意して洗濯物を干しそうこうしているうちに練習終了時間が近づいていく。乾き終わっているものをたたみそれから飲み物を準備する。(※たぶん他にも仕事あるのでしょうが、空はやったことがないので、この辺で打ちきらせていただきます・・・すいません)


「ふぅ・・・しっかし洗濯物も・・・」

汚かった。これに尽きる。

青学だろうが有名なテニス部だろうが、やっぱりそこは中学男子生徒。こんなもんらしい。
けれどはそんなことでもますます気合を入れなおした。

「頑張るぞぉー!!」







「では、今日はこれで終わりにする。解散ッ!」
「お疲れ様っしたーっ」

手塚部長の声がコートを掛け抜け、何十人もの部員の声が重なって、は少し圧倒された。はっとして、続けても声を出す。

「お・・・お疲れ様でーすっ!!」

どさっとベンチにタオルを下ろし、クーラーボックスを足元に落とす。
そこへわっと部員が集まってくる。
「助かるなぁ〜喉乾いてたんだよね」
「マネージャーがいるとやっぱり違うよな」
「えっと・・名前なんだっけ」
です!」
「ああ、ちゃんか。ありがとうねー」
ちゃんもお疲れ様ー」

声を掛けてくれる部員にニッコリ微笑みながら、渡せればタオルを手渡しする。
2・3年生が大分部室へ戻っていくと、最後にまだ入部したばかりの1年生衆がやってきた。

ちゃん、お疲れ様ー。マネージャーになれてよかったね」
「あ、さっきの!名前、覚えてくれたんだね。君も一年生なの?」
「うん、僕たちみんな1年生なんだ。僕は加藤勝郎だよ。1年5組なんだけど、君は何組なの?」
「私、1年2組なの。堀尾君と越前君と同じクラスだよ。私―――堀尾君がテニス部なんてビックリだよ」
「失礼な。俺はテニス歴2年だぞ!」
「あら、そうなの。じゃぁ、きっとすごく巧いんだよね」
「あー堀尾くんに限ってそんなことはないない。(酷)あ、俺は水野カツオ。カチローと同じクラスなんだ。よろしくね」
「うん、ヨロシク!1年生だから心細かったんだよね、えへ。仲良くしてね!」
は1年生衆に向かってニッコリ微笑んだ。

「ちょっと、俺にもタオルちょーだい」

後ろから少し生意気そうに声がした。
「あ、ごめん・・・って越前くん」
「・・・アンタ誰」
がタオルを手渡すとともに出てきた台詞はこれだった。お礼でもなんでもない。
だよ!さっきも自己紹介したし―――同じクラスなんですケド?」
「あっそ」
どうでもいいことのようにリョーマは言った。


「越前君、ラケットブリジストンなんだねー」
ふとリョーマが小脇にかかれているラケットを見ては言った。
触ってもいい?と聞きながらリョーマのラケットを手に取る。
「わ、結構重いね。こーんな細腕なのに」
ちゃん、テニスやったことあるの?」
隣りで聞いていたカチローが聞いてきた。
は少し笑って「ちょっとだけ」と言った。








そんなこんなで。
波乱万丈で、とってもハードな中学生活がスタートしたのだった・・・。




written by koo hiduki .....



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また不二さまが出てこない・・・!これはリョーマドリなのか!?(笑)
しかもカチロー大活躍ですネ。あー不二さまは一体いつになったら出てくるのだか・・・
しかもあまり主人公の毒舌っぷりが(その予定なのさ)が出てないし・・・!不完全燃焼。



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