『俺、部長と試合する』


欠けたものを掴むために。





SECRET ☆ LOVE 12








リョーマの眼帯が取れて、2日経った。

生々しくもうっすらと残る傷跡に、擦れ違うひとはふっと見ていくけれども、本人はさして気にしていないようだった。
本人曰く、痛みはないとのこと。

「それでも痛そうだよー…」

と、これは蛍嬢のお言葉だ。


大事を取ってまだレギュラーの練習には参加していなかった。
最初の準備運動と後は自主トレ、そしての手伝いをすることもあった。


「あ、リョーマ、それ、持って来て」
「……なんで俺が」
「アンタ暇でしょ。てか重いから持って」
「………」

『暇』ではないのだが仮にもマネージャにココまですっきり言われると返って何も言えなかった。


結構な量の洗濯物籠を言われた通りに運んでやると、ご苦労様、とファンタを差し出される。


「意外と気が利くじゃん」
「そりゃマネージャー様だからね」

マネージャが練習の邪魔するなよ…と自主トレしか出来ない身であっても思う。
渡されたファンタの缶をプシ、と開けてリョーマは一口飲んだ。


「ねえ…」
「ん?」
「昨日…親父に言われたんだけど」
「何を?」
「俺に、足りないもの……あると思う?」

何を突然…と思ったが、結構真剣な顔つきだったのでは冷静に向き直った。

リョーマのお父さん…ということはテニスに関してということなのだろう。


「………うーん、あるんじゃない」
「何それ」
「自分で考えなよってこと。お父さんも、教えてくれなかったでしょ?」
「……うん」
「それって自分で気付いて欲しいからだと思うから」
「…今週末、部長と試合することになってるんだけど」

ぐーっとファンタを飲みきってリョーマは自主トレに戻るために立ち上がる。


「リョーマ!」

はなんとなくそれを呼びとめた。


「たまには、燃えてみてもイイんじゃない?」

それで、伝わっただろうか―――?

試合…か。
なんとなくは手塚の考えを悟る。

ただ、逆を読めばそれだけリョーマの存在が今後の青学にとって重要だということで。
そうして目で手塚の腕を見遣る。

リョーマを相手にするとなれば"普段"の状態では絶対に勝てないだろう。
それほどのリスクを背負うと言うのだろうか。

部長、として
先輩、として

テニスのライバル、として―――


部長とリョーマは似ていると思った。
だからこそ放って置けないのだろうし。

プレイスタイルまで似ている二人。

「でも部長口下手だからなぁ…」

はパン、と音を立てて洗濯したタオルを広げた。














部活が終わって、いつもより通常作業が遅くなってしまい、は皆より少し残って部室で日誌を書いていた。

「すみません、部長」
「…いや」

日誌には部長印を貰わなければならない。
そこでこうして手塚にも残っていて貰っているわけだが…。
手塚は本当に全く何も話さないのでとしては返って困っていた。

「部長、少しは何か話しませんか?」
「構わないが…一体何を」
「何でもいいです」
「………」

どうやら部長は話題を提供されないと話せないらしい。


「んーと……」

は書きながら悩んでいるためになかなか話題を出すことが出来ない。


「では…今週末のご予定は?」
「………?」

言い方がまずったのか、少し眉を顰めた。

「部長ー、あんまり皺を寄せると癖になりますよ。…って冗談ですってば。………リョーマと試合だって聞きました」

あぁ、と少し納得したような表情をする。

「聞いたのか」
「リョーマから。相談されちゃいました」
「そうか。…試合しても、伝わるだろうか?」
「理解ると思いますよ。バカなやつではないと思いますし。色んな意味ではバカだと思いますけど。あーいうスポーツバカには一球に思いを込めれば、きっと。……部長、本気で?」
「…本気でも勝てるかどうか」
「…ですよね。腕、無理、しないでくださいね。大事な時期なんですから」
「……知ってるのか?」
「いえ。はっきりとは。ただなんとなく」
「よく見てるんだな」
「そりゃぁマネージャーですから☆」
「そうか」
「本当に…青学の全国行きは部長は不可欠だと思いますよ」

話しながら書き終えた部誌を差し出し手塚は印を押す。


「俺が職員室に出しておく。先に帰っていいぞ」
「そうですか?じゃお先に。あ、部長!」
「なんだ」
「よければ―――日曜、行ってもイイですか?」
「何故?」
「部長の本気が見たいからです。大石副部長はモチロン行くんですよね?同行させて貰います」
「勝手にしろ」
「じゃ勝手にします。じゃ!お疲れ様でーす!」



職員室に向かう手塚と昇降口で別れは帰路に着いた。
殆ど人影の見えない道を早目のスピードで歩いていく。
―――明日、大石に会ったら日曜は何時なのか聞かないと、とか考えながら。










日曜日。

―――快晴。



「いってきまーす」


はジーンズにTシャツに帽子を被って家を出た。
出来るだけ目立たないよう、帽子に髪を全部入れて一見して少年ぽく見える。

大石副部長途中で落ち合った。


「大石先輩!」
「あ、ちゃん」

2人揃って約束のコートに向かう。

「なんだか…ドキドキしますね」
「そうだね。ちゃん、よっぽど越前が心配なんだね」
「え?なんでですか?」
「だって…日曜なのに、休み潰して越前の応援に来るくらいだし」
「や、別に応援ってわけじゃ」
「そうなのかい?」
「……うーん、リョーマはただの口実なのかも。私、部長の強さが見たいだけなんです」
「……そっか(苦笑)」
「スイマセン」
「謝ることないよ。そうだな…手塚、無理しないでくれるといいんだけれど」
「あは、それ無理だと思いますよ。2人、似てますから」

2人とも、『強い相手』というのに酷く刺激される。
そう、それは自分自身にも言える―――。

強い相手により惹かれて自分も本来の力を最大限に出して、強くなる。




強いことがテニスの上で正しいことだとは思わない。

けれど、
ここで伸びなければリョーマの未来も、青学の未来をも判らなくなる。

心が傷むのを感じて、はそっと手を握った。




written by koo hiduki .....



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えーーーーーーっとぉぉぉぉぉ……(滝汗)
もう既に何を書きたいのか判らなくなって来てます…。
主旨が。なんかトリアエズ進んでるってな感じが嫌だ…。

大石「…嫌ならやめたらよかったんじゃないかな」(困ったように笑う)

副部長君じゃないかー。今回珍しく目立ってたね。
メインは部長だけどね。

大石「手塚は忙しく来れないみたいだよ」

ははっ…確かにナー、口下手な感じが…もごもご。

大石「始めちゃった以上やめられないらしいから、
そのうち…ちゃんと、すると思うし…。
飽きないようだったら読んであげてね(似非スマイル/勝手に〆)」

なんて温かいお言葉…(涙ホロリ)
って何勝手に〆てんすかーー!!微妙に庇ってないし!(死)



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